よんじゅう

私の家の前の大きな畑に１匹の白いねこがいつもいる。

その白いねこは、
時々私の家の庭の小さな畑に来ては
いたずらをして帰る。
自分の小さな庭にいたずらをされるので、
父はその白いねこを嫌っている。
畑にいろいろ工夫をして、
父はねこが来ないように頑張るが、
ねこはそんなのお構いなしでいたずらをする。

父と白いねこ。

仲良くなれない二人なのだ。
敵どうしなのだ。


今日、大きな畑を見ると小さい白いねこが２匹戯れていた。
その傍には、いつもの白いねこ。
あの白いねこは、お母さんねこだったのだ。
大きな畑にちょこんと３匹が座っている。

母と私は、何度も３匹を眺めて、状況を確認。
雨が降って濡れやしないか、とか
寒くないか、とか心配していた。

その後ろで、父がなにやら曇った顔をしている。

そうだ、父にとっては敵が２匹も増えたのだ。
小さいねこたちを歓迎できない気持ちも十分過ぎるほど分かる。

さんじゅうきゅう

久しぶりにCDを並べている棚から、
ジャズのCDを引っ張り出して来て、
聞いていたの。

良い午後。

ゆっくり流れる時間。

そこへ、前の家の人（永ちゃんファン）が車で帰宅。
車からは永ちゃんの曲。

繊細なジャズが
大音量の永ちゃんの曲でもって、
ロックでもって、
かき消されたのは言うまでもない。

さんじゅうはち

今日はこんなに頑張ったのだ。
だから、寝苦しいはずがない。

布団を冬仕様から夏仕様にした。

言わなくていい、もう８月中旬って知ってる。
あと一山越えれば秋になるっていうのも知ってる。

季節は変わって、また巡ってくる。
冬の布団が好きなの。
毛布が好きなの。

でも、暑い。

寝れない。

ぐっすり寝るための寝具が睡眠を妨げている、という事実。

季節に合わせて変えなきゃ。
布団だからいいけど、服だったら大変だ。
真夏にふわふわコート着てるようなもんだ。
着ぐるみのバイトしてるようなもんだ。

今日、私のベッドに革命が起きました。

寝苦しさを知らない快適な夜を、わたしに。

さんじゅうしち

ここは、どこだ。
今、私はどのへんにいるのだ。

正解は
そろそろ８月も折り返し地点の８月１３日です。

ここまで来てしまった感が
ものすごいあるよ。

夏を楽しめてない。

しれっと夏は過ぎていくばかり。

いやいや、確かにそうなのだけれども
夏は過ぎていくのだけれども
ちゃっかり暑さだけは
ぐいぐい私の生活の中に
入り込んで来るのです。

一昨日がチャンピオンだね。
今年のチャンピオンだ。
確かにあの日、私の前を王者が通ったんだよ。

何級の王者だか知らないけれど、
一昨日は暑さのチャンピオン。

昨日、今日の暑さぐらいじゃ
一昨日の暑さには勝てないね。
これから一昨日の記録を抜くくらい
暑い日はやってくるのか。
毎日、防衛戦だ。

しかし、暑かったわ。

そういや、
布団との格闘の話だとか、
寝際の夜風の話だとか、
思い切って寝る時に扇風機をつけた話とか、
幽霊を想像し過ぎて怖くて寝れなかった話とか、
寝る前に部屋の暑さをどこかに追いやって
代わりに涼しい風を送り込む方法を模索した話とか、
まとめると
寝苦しい夜の話をもっと書きたかったのだけれど
暑くて何もかも面倒だから、今日はいいや。

とりあえず今は一番、氷が好きです。

さんじゅうろく

何日か前に、見たんだ。
バス停から家に帰るまでの道で。
道の端っこにある用水路で見たんだよ。

あれは確かに、おたまじゃくし。
大きいおたまじゃくし。

他のやつらはもう、カエルになっているのに、
あいつだけはおたまじゃくしのままなんだ。

とっくの昔に、みんなカエルになっているよ。
最前線で、けろけろころころ鳴いているよ。
なのに、お前はどうして声もあげることのない
おたまじゃくしのままなんだい。

カエルになるにも１軍とか２軍とかあるのか。
先発とか後発とかあるのか。

それともカエルになる時期を逃したのかな。
連絡網、あいつの手前で止まってんのかな。

それでもいいや。
他のやつと同じタイミングでカエルにならなくたっていい。
焦ることないよ。
お前にはお前の考えがきっとあるんだろう。

きっと、これからずっと
おたまじゃくしのままってことは無いだろうから
お前がカエルになって
雨が降る前には嬉しそうに鳴いて
雨が降ったら元気よく
ぴょんぴょん跳ねて喜ぶ日を楽しみにしておくよ。

はしゃぎすぎて道路まで跳ねて行って、
車に轢かれることのないように、
それだけ気をつけてな。