よんじゅういち

いつも焦っている毎日で、
いつも後悔している毎日で、
いつもあっけなく終わる毎日で、
そんな毎日が集まって、この１０月は成り立っていたのです。

１０月だけじゃなくて、
そういう毎日を
ずっと前から過ごしていて、
いつも
もっと良い毎日に変えようと
きっかけづくりをしてきたのだけれども、
すぐ駄目になってしまう。

私の中には、二人の私が居る。
きらきらした私と、しょぼくれた私。

しょぼくれた私が主役の座についてから
だいぶ時間が経った。

昔の私は、たまにしょぼくれもしていたが、
すぐにきらきらに戻って、溌剌とした毎日を過ごしていた。
きらきらした私の隣に、
しょぼくれた私が脇役としてちょこんと座り、
少し時間が経つと舞台の袖に戻っていくのだった。
何があっても、主役は絶対にきらきらした私だった。

いつの頃からか、
きらきらした私は姿を現さなくなった。

いきなり居なくなったもんだから
こっちはきらきらした私の安否を気遣って
毎日を過ごしていた。
全然顔を見せないけれど、
毎日たらふくご飯を食べる事ができているのだろうか、
ちゃんとした服を着ているのだろうか、
ふかふかの布団で眠りにつけているのだろうか。

そうやって、毎日心配しているのに
ずっとずっと連絡の一つもよこさない。
音信不通。
便りが無いのは良い知らせ、とも言うが
きらきらした私が私から遠く離れたどこかで
元気に暮らしていても意味が無いんだよ。
ここに来てくれないと。
君が居ないのを良いことに、
しょぼくれた私が主役として舞台の真ん中に
ひょろりと立って、やる気無く
変なおじさんの踊りを繰り返し繰り返し踊っているよ。
もうこれには飽き飽きしているんだ。

きらきらした私よ、もうそろそろ現れてもいいんじゃないかい。
そして、しょぼくれた私を舞台から引きずりおろして、
君が主役になっておくれよ。

また、きらきら輝きたいよ。