ご

今日は素敵な日。
天気も、匂いも、音も、１日の流れも。

朝から雨で足元が濡れてしまった。
食堂には人がいっぱいで、席を取る任務が果たせなかった。
みんなでご飯を食べた。
図書館で一人、本を読んだ。うとうとしながら。
誰かの足の骨が鳴る音で目覚めた。歩く度に鳴っている。
その犯人は久しぶりに会う後輩。元気そうで何より。
購買でお茶とお菓子を買って休憩。
そして、今期初めてのゼミ。
演習室で雨がしとしと降っているのを感じながら、
久々に会う先生とゼミの仲間で話した。
冗談を交えながら心地の良い雰囲気で過ごせた。
さらさらと雨は夕方の町に降り続けた。
帰りのバスを待つ頃に、きれいな虹が２つ空にかかっていた。
バスに乗ると、
２つ前の席のおじさんが虹を見ようと必死に体を動かしていた。
そんなおじさんの頭にもやさしい虹がかかっていた。
私の住む町に着いた。ここからも見える半円の虹。
心がきれいになるのを感じた。
本を買って、家に帰る途中、
元気をなくして連絡つかずだったあの子から返事が来た。
夕方の涼しくてきれいな風が吹き抜ける道で、
田んぼの蛙が一斉に鳴いている。
私は愛おしくなって、しばらく立ち止まる。
そして蛙の鳴き声と風の音を録音した。

全て、全て、心地よくきれいだった。
ずっとあのままであれば良いと思った。

後で、みんなあのきれいな虹を見ていたことが分かった。
同じ空の下にみんないるんだねぇ。